哀しい
家の電気を全て消した
歯を磨きたいからとりあえず洗面台に向かった
月明かりで照らされているのでかすかに明るい
その光を頼りに歯磨き粉もつけず歯ブラシを口に突っ込む
鏡を背にして、月の光を横目に呆然とたつ、立ち尽くす
聞こえるのは、自分の鼓動だけ
人間ってのは案外自分が認知できるようにできているんだほんとは
でも、都会の喧騒に囲まれていると、そんなことにも気づけない
些細な自分の音には気づけない
私は生きている、らしい
鼓動を感じるから生きてはいるらしいよ肉体的には
そのほかには自分の生を保証するものはない
体温計で計っても機械頼りだから心配だ信じられない
あいつらは壊れれば、どんな体温でも表示しちゃうから
まあ機械だから多分わかりやすくerrorって表示で限界を訴えてくれるだろうね
人間も限界がきたらそうやって知らせてくれれば、生きたい命も永らえるのに
生きて欲しいって思う命ほど儚いのは、私だけかな
こうやって書くことぐらいしかできない、そんな私だけかな
アーティストもこうやって詩とかブログとか書くかもしれないけど、
それがビジネスかプライベートかはわからない
自分の欲しい形をしてくれていれば、それでいい気もするし
アーティストにはいつまでも純粋無垢でいて欲しい気もする
実際に、真っ白な人なんか見たことないし面白くないから見たくないけど
真面目な話をするときに正論しか話さない奴は一回脳の思考回路を焼きちぎってもらえ
人間として面白みにも深みにもかけるぞ
教育機関で仕込まれたから出来上がった脳だとしても私は認めない
一人の人間として、生を全うして欲しい、最近の人にはできないのかな
哀しい